青を摘む女としとやかな獣

  • 映画 DV 46 min
  • 武蔵野美術大学卒業制作優秀賞受賞作品
  • 監督・脚本・編集
  • 2010
  • 撮影: 加藤恭久 広瀬奈々子
  • 照明・録音: 畑純平
  • 美術: 及川順子 宗俊宏 上野貴明ほか
  • 助監督: 山田渉 宗俊宏
  • 制作: 金子怜史 栗原侑花 勝俣涼 服部雄佑ほか
  • 音楽: 渡辺俊介 岡江真一郎
  • 出演: 菱木聖仁 小柳由佳 望月寿子 畠山豪介 小林美萌 松崎雄也 享楽屋空詩 松原東洋ほか
  • 上映暦:
  • 1.29〜2.2.2010
  • 武蔵野美術大学卒業制作展
  • 3.16〜3.21.2010
  • 同窓会(グループ展)@IID世田谷ものつくり学校 http://www.lilt-asm.sakura.ne.jp/ocb/
  • 4.5〜4.21.2010
  • 武蔵野美術大学卒業制作優秀作品展
  • 6.12.2011
  • イメージフォーラム提携企画「映像の学校Ⅱ」@愛知芸術文化センター

「人間的とは何だろうか」「正常とはなんだろうか」

人の欲望が見える超能力を持ってしまった青年・ミチオと肉体的にハンディを背負った女性・ヨウコとの出会いによって人間的とは何かを問う。

本能的に生きる人=猿。知能を持ち、理性的であるのが人間だ。それが常識。ミチオはそう思っていた。

しかし、これは正論なのだろうか?

事実、社会では欲望の塊とも呼べるモノが人々の影で右往左往している。人間的に障害のある僕らのほうがよっぽど「人間らしい」

自分が信じてきたものが、すべて嘘に変わった時、彼は人間から哺乳類、両生類、爬虫類、魚類、最後には水へ退化していく。

本能と理性の葛藤を描き、本来の人間の在り方を問いただす物語。

河合宏樹

河合宏樹の映画「青を摘む女としとやかな獣」は観る者を容赦のない闇へと突き落とす。入学してまもなく短編のドラマを作り始め、初期の映画に見られた赤裸々なモチーフとシュールな幻想と舞踏による身体性は、より洗練された形で本作に結晶している。

常人と変人の差など人間を枠づけする差別化と蔑視のまなざしに、疑問を抱き続けた作者の深い絶望から生まれた衝撃的な作品。

50分近い長編だが、時間を忘れるほどに濃密で完成度が高い。

主役がじつに適役、音楽も美しい。数知れない学友や知人がかげながら協力しているのも感動的。

芸術文化学科教授 岡部あおみ

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